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東京マンション選びのポイント <管理組合について>

㈱ハチハウス、宅地建物取引士の青木です。

今日はマンションの管理についてお話します。


分譲マンションを購入すると、自分の住む部屋だけでなく、面積配分に応じて建物全体の何分の1かのオーナー(所有者)になります。そしてオーナーには、権利と共に管理についての責任も生まれます。マンションの管理は管理会社がおこなうものと思っていませんか?実際の業務は管理会社がおこないますが、管理会社はオーナーである私たち全員の団体である管理組合が選択し、委託をしているのです。理事という役職に選ばれていなくても、皆が管理組合員なのです。



私も別の業種の仕事で忙しくしていた頃は居住するマンションの管理組合にまったく興味がなく、面倒!と思って役員を避けていました。マンションの管理組合というと、大変失礼ながら、時間の余裕のある高齢者がお茶飲み話で集まっている団体との認識でした。

その後不動産業になってから、勉強のため自宅マンションや会社が保有するマンションの管理組合の理事として参加してみることに。 そこでは、想定とは違う驚くような体験をしました。 一番驚いたことは、ある都心の今時のタワーマンションでは、理事の多くがバリバリの現役世代(30-50代)、金融機関にお勤め、弁護士、会社経営者など自分の専門分野を活かして大変積極的な理事会活動がおこなわれていたのです。理事会や総会の場でも熱い議論が交わされ、日々新しい情報をとりいれて、「前年とまったく同じで進める」ということはありませんでした。管理組合の重要さを実感し、その後2つのマンションでは理事長も勤めました。

 

それでは、管理組合の仕事とは?

*マンション建物や敷地の保全、清掃、修繕などの管理

*長期修繕計画の作成・実施

*管理費用や修繕積立金の管理・運用、

*マンションに関する防災・広報、地域コミュニティとの渉外活動

などなど。 オーナーから集めた管理費や修繕積立金で企業の総務部門のような仕事をすべて行うのです。理事の人たちは皆、当然ですが基本無償のボランティア。

では何故、そのように一生懸命に理事会に参加する人たちが増えているのでしょうか? 




私が考えるに、最近は一生もののマイホームではなく、ライフスタイルの変化により柔軟に住み替えるという発想を持つ人が増えました。つまり、いつかは売却することを視野に入れ、資産としての価値が下がらない、あるいは上がることを強く願う人達が増えていると思われます。(東京の都心のマンションでは新築で購入時から10年以上経ても価格が上がることがよくあります。)世帯数の多いマンションでは、年間5億円程度の予算を動かす管理組合もあります。 まるで中小の企業のような規模感です。 近隣に最新型のマンションが次々に建設されるなか、そのライバルに負けないように、役所仕事のような「前年と同じ」ではなく、企業活動のように「より効率的、そして結果に結びつくお金の使い方」を考え、より良いマンションにしていくため頑張っているのだと思います。

それに連動して、実務をおこなう管理会社の選択のハードルも高まっています。単に費用が安いだけでなく、新しい情報を取り入れたベストな提案をおこなう、コストに見合ったサービスを提供する会社に委託したいと考える理事も多くなりました。


もちろん、マンションの規模や多くの住民の年齢層、考え方(終の棲家と考える人が多いなど)により管理の考え方も変わります。 あるマンションでは高齢者が多く、孤立化しないようにコミュニティを重視したい、またあるマンションでは忙しい共働きの世帯が多く、リモートワークのスペースを確保したい、EV車用の充電設備を設置したいなど、暮らし方の要望が変わってきます。  いずれにしても、「ちゃんと考えている」管理組合のあるマンションには活気があります。 最近はコロナ禍をきっかけに、定期的な理事会をオンラインでおこなうマンションも増えています。 是非マンションの管理に興味を持ち、一度は理事として参加してみることをおすすめいたします。



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